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ゾンビ少女
慌てて拾おうにも、眼球を素手で行く勇気はない。
アタフタとあわてふためく僕をよそに、ゾンビ少女は顔をあげた。
「忘れてたことには目をつむりますから、今から思い出してください!」
「目をつむる前に眼球を戻してくれるかな!? 気になっちゃって……」
少女は取りこぼした眼球を慣れた手つきで嵌め込んだ。
(洗ったりしないんだ。なかなかワイルドだな)
僕が感心していると、ゾンビ少女は3本指をたてた。
ゾンビ少女の人差し指と薬指はすでに腐って落ちている。
その3本指の立て方は、往年の夏休み定番アニメの主人公を彷彿させた。
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