暗やみのなかで浮かび上がったそれをおれは忘れない

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「皿洗いでも何でもする。料金分、ここで働かせてくれ」  おれは店主の目をまっすぐ見た。 「何でもするんだな」  店主は濁った眼で、おれを見返した。おれは黙ってうなずいた。 「だったら、わしのいう仕事を手伝え」 「それでちゃらにしてくれるか」  店主は口の片端を上げ、 「してやるもなにも、うまくいったら小遣いも稼げるぞ」 「儲け話か? だったらぼくも行くよ」  ジョシュが顔をぱっと輝かせた。 「ぼくも行く! 仲間に抜け駆けは良くないよ、ユウジ」  ね、とおれのそばに駆け寄ると、ぽんと肩をたたいてきた。なんて調子のいい奴だ。おれは肩に置かれたテオの手を払いのけた。 「人手はあるに越したことはない。これから行くぞ。ついてこい」  店の外に出ると、日がずいぶん傾いていた。  店主が小型のバンを店の前に止めると、「乗れ」とおれたちにうながした。  おれたちが乗り込むのを確認した店主は、これからのことを話し始めた。
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