闇がりと後悔

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「だけど、何もせずに渡を待っているだけっていうのは少し恥ずかしかったから、本を読む振りをしてたんだ。そしたら渡が教室に来てくれて、渡が教室に来たとき、緊張で心臓が破裂しそうになったんだけど、自分の気持ちを伝えないといけないと思った。その後、いつか返事を聞きたいって考えてたんだけど、急に次の日に引っ越しが決まったんだ。引っ越した後手紙とか渡に送ろうとしたんだけど、送れなかった。もし、私のことが好きでもなんでもなかったらって思うと怖かったんだ」 「僕も何か手段を探して、連絡を取ろうとした。だけど、見つからなかった。静がどこで何をしているのか全く知るすべはなかった。手紙を読んですぐに返事をしておけばよかったって、今でも思うよ」  僕はコーヒーを一口啜る。 「だけど、奇跡的に大学で君と会えた。大学で君のことを見つけた時、僕は本当に嬉しかった。二度と会えないと思っていた人と再会できるなんて夢にも思わなかったよ」  雨はまだ止まない。蝋燭の淡い光だけが机を照らしている。 「私たち、一緒に住むようになって、長くなるね」 「そうだね、もうどれくらい経つだろうね」  僕は言葉を続ける。 「これからも僕と一緒にいてくれませんか?」  彼女の表情は暗闇のせいではっきりとは見えなかったが、優しく微笑んでいるように見えた。 「はい、喜んで」
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