ケース7️⃣ 前世追憶

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松田が大きな身体で、狭そうにしながら助手席で話していく。 「まあ、そこはまだ確定出来ないが。偽名であろう四姉妹の名前だが、分かっている範囲では、長女のメグ19歳。次女のジョオ18歳。三女のベス13歳。四女のエイミー10歳だ。とにかく、あの四姉妹を確保すれば、事件の何かがハッキリするはずだ。」 「そうですね。ところで、先程の電話の従兄弟の方も、何か情報があったんですか?」 江戸川が聞いた。 「ああ、ダグラスか。アイツ、機密事項だからって、詳しい事まで教えてくれなかったんだ。」 「じゃあ、情報は得られなかったんですね。」 改めて腕組みしながら、松田が話しを続ける。 「う〜ん、まあ詳しい事は教えてくれなかったが・・・。実は、これまで調査してきた裏情報から、あの四姉妹の一人が、ダグラスと同じ特殊部隊の諜報員だった可能性があるんだ。」 「え? ・・・え〜⁈ あの四姉妹の中に、特殊部隊に所属していた人物が・・・。」 車内に響き渡るような驚きの声をあげて、江戸川が蒼ざめた。 驚愕の情報に、更に江戸川が質問する。 「その従兄弟の、・・えっと、ダグラスさん、ですけど。所属していた特殊部隊、って・・・。」 「ダグラスは、今では最前線の特殊部隊からは引退しているが。本格的な特殊訓練を受けたエリートの諜報員。つまり、超エリートの戦闘員って事だ。」 松田は、少し苦笑いしながら答えた。 「え⁈ そんな凄い部隊なんですか⁈ そこに所属していた女性・・。」 江戸川は、焦りと混乱をみせる。 「まあ、その特殊部隊に所属していたなら、男だろうが、女だろうが、ヤバいヤツって事だ。ハハハ。」 松田は言った後、苦笑した。 「いや〜、松田さん。笑い事じゃないですよ。本当に、ヤバいですよ。かなり危険です。そこに、四姉妹の一人が所属していた可能性がある、って・・・。まあ、そういっても、年齢から考えて、可能性があるのは、四姉妹のうち姉二人のどちらか。19歳の長女か。18歳の次女ですね。」 「そうだな。どんなに優秀でも、子供は入隊出来ないからな。」 江戸川が、深刻な顔をして話を続ける。 「う〜ん・・。じゃあ今後、もしも確保とか逮捕になった場合、その特殊部隊に所属していたほうには、要注意するべきですね。」 「そうだ。普通の女の子と思っていたら、逆にヤられるだろう。」 あくまでも冷静を装って、松田が告げた。 「そのダグラスさんは、他に情報は教えてくれなかったんですか?」 真剣な江戸川の顔。 「ダグラスは俺に対しても、機密事項は教えられないと頑固だ。これ以上、聞く事は無理だろう。ただ・・・、俺がしつこく聞き返した時、その特殊部隊にいた女性の特徴を教えてくれた。」 「え⁈ 特徴・・⁈ 何ですか、それは⁈」 江戸川は、食い付くように聞いた。 松田が、チラリと江戸川の方を見て答える。 「特殊部隊にいた、その女性は、背が高くて、黒髪だ。」 「黒髪?・・アメリカ人で、黒髪なんですね。」 二人の乗ったスープラは、薄暗くなりかけた町並みへと走り去っていった。 ———— ケース8に続く ————————
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