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「なぁ、覚えてるか?奇跡が起きたあの日の事を。」
「もちろんよ。だって、蓮夜が死にかけて、しかも原因は私だったのよ?忘れるわけないじゃない。皆にも心配かけちゃったし。」
「まぁなぁ。でもあの時、穂乃花のおかげで助かったといっても過言ではないと思う。それにあの時は好きな子守って死ねるなら本望だと思って助けたのだし俺が死にかけたのは穂乃果のせいじゃないよ。」
「残される方の事も考えなさいっ!」って言われてもなぁ。あの時は穂乃果を助けることしか考えてなかったのだから仕方ないと思うんだけど。
まぁ、いいや。怒ってる穂乃果も可愛いし。それに、穂乃果の境遇を考えたら仕方のない事だよな。
「それはともかく、穂乃果。」
俺の雰囲気が変わったことを察した穂乃果はサッと姿勢を正した。
「なぁに?連夜。」
「これを、貰ってくれないか?」
「え……ねぇ、連夜。今日は何か特別な日だっけ?」
穂乃果は若干涙目になってしまっている。これは、大丈夫そうだな。
「いや、別に今は特別な日という訳ではないかな。これから俺たちの特別な日になるんだ。」
「私が貰っても良いの?」
「むしろ穂乃果以外誰に渡したらいいんだよ。」
「ふふふ、そっかぁ。はめていい?」
「あぁ。」
穂乃果に渡したのは指輪だ。それも、エンゲージだ。
失敗するとは思ってなかったが、やっぱり緊張した。
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