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知りたがりのシーリス
シュファイの石ころは深淵にある
深淵とは深い暗闇
シェファイの石は幸せいっぱい。
シェファイの石はひとつしかない。
シェファイの石は偽物がある
本物のシェファイの石にしか幸せは入ってない。
少年シーリスは知りたがり。
幸せの暮らしをしていたが
本当の幸せはまだ知らず
知りたがりのシーリスはジェファイの石探す
村を探し町を探し森を探し海辺を探し湖を探し
でも深淵には行けずジェファイの石に辿り着けず
探し疲れ大きな木の根本に寄りかかり
シーリスは休んだ。
深淵には誰も辿り着けない。
深淵は誰しもの近くにある
しかし、深淵は遥か遠くに
シェファイの石は遥か彼方に
シーリスは立ち上がった。
大きな木に穴を見つけた。
シーリスは穴を覗いた。
穴は真っ暗何も見えない
光を消す暗闇深い暗闇
シーリスは穴の中に入った
後ろを振り向くと穴は閉じている。
シーリスは先に進むことだけ考えている。
先に進んでも
暗闇は続く
先な進んでも
道は続く。
シーリスは進む
この先にこそ深淵があると信じて
魔物が現れ襲い掛かる時もあれば
魔法使いに唆されて横に曲がりそうになっても
シーリスは強い心で魔物を倒し
堅い心で魔法使いの言葉に蓋した。
闇の奥の奥へと進む。
意識が遠退き掛けても
知りたい一心だけで消えかける命を繋ぎ止める。
ふと、小さな光が見えた。
シーリスは光に向かって歩く。
光源には片手で握れるほどの白い石が
シーリスは手を伸ばし石を掴んだ。
光が強まり光がシーリスを包んだ。
シーリスの心も光で包まれた。
光には優しさ、喜び、強さ、悲しみ、痛みがあった。
シーリスの心に光が吸い込まれて行く
シーリスは満たされた心のまま
光の中で眼を閉じた。
眼を開くとシーリスは大きな木の目の前に立っていた。
シーリスの手にシェファイの石が握られている。
シェファイの石は白く直視すると眩しい。
シーリスをはシェファイの石を袋に仕舞い
村へと帰った。
シーリスは多くを知るお婆さんにシェファイの石を見せた。
多くを知るお婆さんは笑った。
「あんた、それはただの石ころさね。」
シーリスが見せた石はシェファイの石では無くなっていた。
「落としてきたのかも。」
シーリスは落としたシェファイの石を拾おうと来た道を戻ろうとした。
「シェファイの石は今はどこにもないよ。」
多くを知るお婆さんは語った。
「シェファイの石はひとつしかない、シュファイの石には幸せいっぱい。しかし幸せは見たものしか知らず、よってシェファイの石は
知られざる石。幸せいっぱいの石の形。」
知りたがりのシーリスは多くを知る婆さんの話を少しも理解出来なかった。
「それで良いのさ、シーリス。まだ知りたい事がたくさんあるんだろう?なら、探しなシェファイの石を幸せの形を」
知りたがりのシーリスは再びシュファイの石を探す
シェファイの石は深淵の中に
深淵は遠く彼方に
しかし深淵は石の中に心の中に
石は深淵の中に
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