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計画通り12時にあの人と現地集合することになった。
先に席についてあの人を待つ。2人の前にはドリンクとメニューだけが置かれていた。
「何食べるか決まった?」
「うん、でも全員揃ってからの方がいいんじゃ?」
「もう揃ってるよ」
1つ空いた席には誰も座っていない。あたりを見回すが今入ってきたような客もいない。え? これはなに。霊的なやつ?
体がぞわぞわしてきた。一方、彼女はにやにやしている。
「えっと。あの人は……?」
おそるおそる聞いてみると、彼女はふふっと笑った。
「あの人ってだれ?」
「え? あの人はその……あの人。連絡してくれたんでしょ?」
「誰にもしてないよ」
「え、じゃああの人って?」
彼女がじっと目を見つめてくる。
「いないよ。逆に誰だと思った?」
「……」
この子は何を言っているのでしょう? 頭が混乱してきた。
「覚えてる? っていうのは?」
「昔みたいに君のその困った顔が見たくなってさ」
そう言って彼女はチーンと呼び鈴を鳴らした。
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