あの日、真っ暗な公園で

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   家族や昔からの幼なじみとは難なく会話することができるのに、他の人とだと何もできなくなってしまう。  こんな感じで小学生の時も中学生の時も上手くできなかったが、幼なじみが同じ学校だった事もあり間に入ってくれて、学年を重ねる毎に会話ができる人も少しはできた。  でもこのままでは駄目だとはずっと思っていた。  自分の力で出来るようにならないと、と。  高校への進学で幼なじみとは別の学校になるのをきっかけに変わろうと思ったのだ。  家族や幼なじみは心配もしていたが応援してくれた。  このままでは駄目だということは家族や幼なじみもわかっていたのだろう。  しかし現実は中々上手くいかない。  今日も失敗してしまったのだ。  しかも失敗は今日だけではない。  高校が始まってチャンスはいっぱいあったのだ。  自己紹介の時も、クラスの他の人に話しかけられた時も、話しかけるタイミングも。  次頑張ろう、明日頑張ろうと、何度も失敗を重ねていく内にだんだん心も折れてくる。  そして今日の失敗は自分の中でも大きなものだったのだ。  せっかく憧れてた真鍋さんが話しかけてくれたのに、と。
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