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「今のセリフ、後悔するなよ? ところで、お前は俺を下の名で呼ばないのか?」 「えっ?」  Tシャツを捲り上げる手を止めずに土岐が尋ねてきたことに、ドキンっと心臓が跳ね上がった。  土岐の名前。——奏人(かなと)。  え? 『奏人』って呼ぶの? 俺が? 「むむっ、無理! それ、無理っ! とんでもなくハードル高いから、無理ぃぃっ!」 「ふっ。なんだ、ハードルって」 「ぁ、んっ」  胸の粒を口に含みながら、恋人が低く笑う。その刺激に身を戦慄かせた俺の耳に、もうひと言、届いてきた。 「こっちは、〝予言通りにはいかない〟か。あれほど念押ししてやったのにな」 「え、何? なんのこと?」 「いや、何でもない。あぁ、そうだ。ちなみに、寝言を言ってる時のお前は、俺のことをいつも『かーくん』って呼んでるぞ」 「えっ、嘘っ……んぁっ、あっ!」  短パンの中に滑り込んできた手に膨らみを直接揉みしだかれて、腰が大きく波打った。
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