2人が本棚に入れています
本棚に追加
4
宅配ボックスを気味が悪いから撤去した。
その日の夜、俺は悪寒がして目が覚めた。
午前3時前。
そんな時間に起きたのは久しぶりだ。
少し水が飲みたくて寝室から台所へ移動した。
静寂の中、俺の喉を水がうねりながら通っていく。
その時。
ペタッ!
「!?」
何か普通じゃない音を俺の耳が拾った。じっと動きを止める。するとまたペタッ!ベタっ!と音がする。
何かを貼り付ける様な音…。
俺はゆっくり音の方へ。
玄関だ。
玄関の向こうでしている。
俺の前には灰色の扉があるだけ。
音は俺が玄関前に来たあたりで止まった。
顔を扉に近づけて覗き穴を見る。
暗い…何も見えやしない。何故だ。
俺は手を玄関の扉に。
呼吸を整えて少しだけ扉を開いた。
外の冷たい空気が這い上がってくる。外の景色はいつも通りだ。
「ふぅ。」
俺は小さく息が漏れた。気のせいか、それとも何かの音を勘違いしたか。そう思い扉を開けて、扉の外側を見た。
「うわっ!」
そこにはたくさんの赤い手の痕ともに再び『ねぇ、覚えてる?』の文字が書かれていた。
最初のコメントを投稿しよう!