4

1/2
前へ
/15ページ
次へ

4

宅配ボックスを気味が悪いから撤去した。 その日の夜、俺は悪寒がして目が覚めた。 午前3時前。 そんな時間に起きたのは久しぶりだ。 少し水が飲みたくて寝室から台所へ移動した。 静寂の中、俺の喉を水がうねりながら通っていく。 その時。 ペタッ! 「!?」 何か普通じゃない音を俺の耳が拾った。じっと動きを止める。するとまたペタッ!ベタっ!と音がする。 何かを貼り付ける様な音…。 俺はゆっくり音の方へ。 玄関だ。 玄関の向こうでしている。 俺の前には灰色の扉があるだけ。 音は俺が玄関前に来たあたりで止まった。 顔を扉に近づけて覗き穴を見る。 暗い…何も見えやしない。何故だ。 俺は手を玄関の扉に。 呼吸を整えて少しだけ扉を開いた。 外の冷たい空気が這い上がってくる。外の景色はいつも通りだ。 「ふぅ。」 俺は小さく息が漏れた。気のせいか、それとも何かの音を勘違いしたか。そう思い扉を開けて、扉の外側を見た。 「うわっ!」 そこにはたくさんの赤い手の痕ともに再び『ねぇ、覚えてる?』の文字が書かれていた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加