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 日本では、AIを進化させる過程で脳科学分野から新たな可能性が人類に提示された。  超能力発現可能性を脳波から読み取り数値化した、PSI(サイ)システム。これによって所謂サイコキネシスなどの超能力が識別可能となった。  しかし莫大なコストがかかることに加え、俄かに信じがたいという風潮や、超能力を証明でき得る環境が整うことへ反発する業界団体によって実用化は難航。そこに目を付けたのは警察組織だった。  今から五年前の西暦二〇五九年、警視庁は重大犯罪に対する革新的取組みとして、全国に先駆けPSIシステムを導入運用を開始した。  職員に対しシステムを受診させた結果ごく僅かの者がヒット。その中でも既に発現している者を選別、適性検査のうえ新設部署へと配転を行った。  部署名は公安部第五課一係。常人にはできない捜査手段でホシを掘り当てるという意味に加え、マイノリティーをかけてついた通り名は……miners(マイナーズ)。  これは、人と異なる道を歩き出した者達が為す人生詩篇の一節だ――
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