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「じゃあまたね」
駄菓子を食べながらゆっくり片付けていた彼女より先に道具を片付け終えた僕は一足先に帰ろうとするが
「おい」
気が利かないな、というふうに彼女は手元にある絵の具をちょいちょいと指さして一緒に片付けろよ、というふうに無言の圧力を出す。
「しょうがないなー」
僕はしまった、なんで俺ってこんな気が使えないんだろと思いながらもそれを隠し、気づいていたけれどもあえて帰ろうとしたかのように振る舞う。
「これ、どこにしまうの?」
「資料室」
「え、遠い」
「すぐだって!行くよ!」
「えー」
明るい口調で話す彼女に半ば強引に資料室までの荷物持ちとしての役割を与えられ、僕はノロノロと歩き出した。
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