1人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや暗」
資料室への廊下をダンボールを持って進む僕と、手ぶらの彼女。
「スマホのライトで照らしてよ」
「持ってくるの忘れたからムリ」
「えー」
「なに?怖いの?」
挑発的な彼女の言葉にムッとして
「いや?早く行くよ」
そっけない態度で返事をする。
資料室までの廊下は別段長いわけではなかったが窓から射し込む月明かりが弱いのでとても暗く、僕が前、彼女が後ろで壁伝いに歩いた。
「資料室は電気あったよね?」
「当たり前でしょ」
彼女がついてきているか不安になって中身のない質問で所在を確かめる。どうやらちゃんとついてきているようだ。
最初のコメントを投稿しよう!