ファーストキスは……

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「てかなんで俺が持ってるんだよ」 「いいでしょ、別にそのくらい」 「そのくらいって思うなら自分で持てばいいのに」 他愛のない会話をしながら、暗闇を壁を頼りに進むと、ガラスの感触が手にあったので資料室のドアをそのまま開け、ドア付近にある電気のスイッチを押す。 「まぶしっ」 「わっ」 いきなりの大光量に思わず目がくらむ。 「電気つけるならつけるって言ってよ!」 「ごめん。で、これはどこに置くの?」 一旦足元に道具を置いて、彼女に確認する。 「そこでいいんじゃない?」 「適当だなー……」 資料室の電気を消して、ドアを閉める。 ……ここで、僕の悪いいたずらごころがささやく。物を持たされた腹いせに彼女を置きざりにして、ダッシュで帰るように足音を立てる。すると 「待って!!」
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