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パキ、パキンと周囲からサイリウムを折る音が聞こえる。暗闇にぼんやりと蛍光ピンクの光が浮かび上がって、徐々に会場全体に拡がっていく。
暗転したステージには、ふわふわのミニスカートをまとったシルエット。
ステージライトが灯って、女のコたちのパステルカラーの衣装がキラキラと輝いて見える。ピンクの衣装を着たセンターの女のコがマイクを口元に持っていく。
「キレイだね」
涙ぐんだ彼女の声。ゆらゆらと揺れるピンクのサイリウムが、応えるように、激しく揺れたり、高く上がったりする。
「今日は私の生誕ライブに来てくれて、どうもありがとう!みんなにお祝いしてもらえて本当に嬉しい」
彼女の瞳がキラキラと光っている。
「それでは聴いてください――」
以前彼女が一番好きだと言っていた曲の前奏が流れ出す。会場が熱気に包まれた。
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