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毎日毎日、桜が少しずつ散ってゆく、、
最初に彼女に会った時、彼女が言っている事が本当なら、この桜の花びらが全て散ってしまったら、もう彼女には会えないんだ、、
僕には思い出さなければならない、とても重要な事がある。
なのに、今日は雨だ。雨が降ると桜も散ってしまう、、僕には時間がない、、
だから限られた時間、だからこそ毎日、僕は彼女に会いに来る。
雨が降って、何故か心の底から無性に焦りが沸きだしてきた。
「今日は雨ね。怖い顔して、どうしたの?」
優しい笑顔で彼女が現れた。
「遥香ちゃん、どうして、いつも知らない間に居なくなっちゃうんだよ。さよならも言えないじゃないか!」
「ごめんなさい。守くん、、でも私、さよならは言って欲しくないの。だから、、あの時だって、さよならは言わなかったのよ。」
その言葉を聞いて僕は、とてつもない悲しみに襲われた。
その悲しみの重さに心が耐えられなかったのか、頭の中が真っ白になった。
その後、少しずつ思い出してきた。
「遥香ちゃん、僕達、付き合ってたんだね。そして、遥香ちゃんは、突然いなくなってしまったんだ。」
「守くん、ごめんなさい。私、守くんにさよならと言いたくなくて、そのまま居なくなったわね。」
「どうして、言ってくれなかったんだ?僕は、遥香ちゃんの事が心配だし、突然居なくなって、悲しくて、寂しくて、、
あっ、、僕は自分で記憶を消してしまったんだ、、」
僕は全てを思い出した、、
思い出してしまった、、
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