またこの桜の木の下で会いましょう

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僕達は高校生の頃付き合っていた。 彼女は高校1年の途中に突然、転校してきた。 僕は1人で、ぼーっとするのが好きだった。 時々、学校を抜け出し、僕だけの場所。 この桜の木の下のベンチで寝ていた。 天気のいい日なんか、とても気持ちが良かった。 ベンチで横になっていると彼女が突然、現れた。 「こんにちは。藤堂くんだよね?」 「きみ誰?何でここに?」 「私、学校で何度か会ってるんだけど、、藤堂くんと同じクラスに転校してきた、水谷遥香。私、この町に引っ越して来てから、この辺りを通る度に藤堂くん見かけてて、初めて学校に行った時、居たからビックリしたの。これも何かの縁だと思うから私と友達になってくれない?」 「あっ、そうなの?別にいいけど。」 「やったぁ。嬉しい。ありがとう。これから宜しくね。」 とても明るくて可愛い子だった。 程なくして、僕は彼女に恋をしてしまった。 そして告白して付き合う事となった。 2年程、付き合っていたが、皆が羨むほどにラブラブカップルだった。 だけど、彼女は急に僕の前から姿を消したんだ、、 僕は何故か考えた。 自分が何か傷つける事でも、言ってしまったのではないか、、だが答えは出なかった、、 程なくして、担任の教師からクラスの皆に伝えられた。 彼女は病気で亡くなった事、急に転校して来たのは、この町に彼女の病気を治療する名医がいて治療する為、そして特別扱いされたくないから、皆には言わないで欲しいと、、 彼女は休みがちだったけど、いつも僕にも皆にも、親の仕事の都合でと言って度々、休んでいた。 とても元気で明るい感じだったから、病気だったなんて気付く人なんて居なかった、、 僕だって気が付かなかった、、 気が付いてやれなかった、、
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