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彼女の名前は、るい。
その後、彼女の家族や一族とひと悶着はあったけれど、最終的には結婚した。”妙子”と名付けた娘も生まれた。
世界とつなげてくれた彼女を、俺はとても愛した。
彼女が娘を生んで、数年で亡くなるまで。いや。亡くなってからもずっと。
俺は、俺に幸せをくれた彼女を愛している。
この先、新たな出会いがあって、他の誰かと結婚することがあっても、るいへの想いは変わらない。
あの日、あの山中で自分の身に起こった不思議な感覚を、運命と言うならそれもいい。ただ、自分としてはちょっと違うような気がしている。
彼女を故郷とは思わないだろう。
それでも、るいと会えたことに感謝の念は湧いてくる。
るい。
暗闇の中で、俺を導いてくれた大切な人。
光をまとった俺の恩人。
end
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