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新メンバーは
一週間くらい船に揺られて、着いたのは小さな島国。
食料調達兼仲間探しをするとのことで、俺は船を取られてはいけないからと留守番することになった。
レイドを見送ってから約2時間。
特に何事もなく時間を潰していたら、二人の声が聞こえてくる。
…レイドともう1人、別の誰かがいる。だが、何故か既視感がする。
そういえば、もう1人のレイドもこうやって仲間を連れてきたよな…
最初はカミラだったか。
顔は整っている方だったのに、タバコが好きで女嫌いな変な奴だったが…
………やはりというべきか、レイドが連れてきた人はカミラそっくりだ。
レイ「リー、待たせたな。」
『おかえり。そちらは?』
レイ「こいつはカミラだ。面白そうだったから連れてきた。」
よろしくとノートに書こうとして、自分が書ける文字が一般の人には読めない事を思い出した。
カミラに会釈をすると、彼も返してくれる。
「リー、でいいんだよね。僕はカミラ。よろしくね。
……もしかして、声が出せないの?」
先程レイドとノートで話をしていたからか、すぐにそう聞いてくる。
それに頷くと、カミラが考える素振りをした。
カミ「隣の島に、僕が信用している医者がいるんだ。闇医者みたいだけど、腕は確かだよ。」
レイ「では次はそこへ行こう。カミラ、船を動かせ。」
『今日はもう遅いから、行くなら明日だ。
というか、お前の収入源はどこなんだよ。』
レイ「ああ、今ある金が無くなりそうだったら行く先々でちょっとした仕事をしてもらうことにもなるが…暫くは大丈夫だ。」
『それなら良いが…』
声が出せない状態で働けるものは何があるかと考えていると、レイドが思い付いたようにこう言った。
レイ「それよりも、お前は一般の文字を覚えて貰わなくては。このままでは何かと不便だろ?」
確かに一般の文字を覚えないと、俺はレイドとしか話せなくなってしまう。
カミ「じゃあ僕が教えるよ。だけど一般の文字が書けないのなら、君たちはどの国の文字で会話をしているのかい?」
レイ「旧ソペロ文字だ。」
カミ「……は?」
本当に珍しい文字のようだ。
カミラが目を見開いて固まってしまった。
カミ「…本気で言ってる?というか何でリーは旧ソペロ文字は書けて一般の文字は書けないんだよ。」
『訳ありだ。』
レイ「訳ありだそうだ。」
カミ「訳ありって……まぁいいや。あんまり深くは聞かないほうが良さそうだね。
じゃあ今から始めようか?まだもう少しだけ太陽はあるし。」
頷くとレイドが追加のノートを持ってきてくれた。
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