妖怪を飼う

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 夕飯はチーズタッカルビにしてもらった。今日は韓国料理の日にしたい。キンパは食べられなかったがまた来週にでも新大久保に行こうか。百恵は残ったお小遣いを計算する。お年玉を貯めているから三万円はある。  夜更けにぬらりひょんはお爺さんの姿に戻って冷蔵庫を漁った。チーズを見つけたので食べることにした。コーヒーも淹れた。この家は今日一日しか居られないから遠慮せずに好きなことをするつもりだ。棚に置いてあった塩大福も頂くことにした。  ぬらりひょんは百恵の寝顔が見たくなった。そっと二階に行く。一番奥の洋室に名前が書いてあるプレートが下がっていた。音をたてないようにドアを開けて中に入る。ぬらりひょんは暗いところでも目が見える。ベッドで百恵が寝息をたてていた。白い肌。とても可愛い。ここに住み着きたいと思った。そのためにどうやって人間を騙そうか。ぬらりひょんは人間より妖怪のほうが偉いと思っている。いずれ妖術で人間すべてを支配したい。取り敢えず明日は出て行くと言って腹でも痛くなったということにしよう。
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