第一章 銃撃戦

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 もし捕らえられたら、良くて捕虜。彼女は女性だから、最悪だとテロリストの慰み者になる。  あんな男達に身体を蹂躙(じゅうりん)されると思うと震えが走り、躊躇(ためら)いを消していく。  ここはテロリスト達の中心、本拠地だ。劣勢に立たされているのは、国軍の自分達なのだ。相手の攻撃を回避しながら突破口を探して脱出しないと、悪夢のような想像が現実になる。  「()いた!」  横から弾んだ声がした。攻撃を集中させたので、そこに隙間ができていた。  正規軍の自分達が逃亡する屈辱を感じるが、生きて脱出すれば報復の機会も訪れるだろう。  ほんの少しの油断で、まるで小動物を狩るように銃弾を受けた。この屈辱を忘れるなどできるわけがない。  ((おぼ)えていろ!)  心の中でテロリスト達を(ののし)ると、彼女は横の男の後ろを走りだした。さらに、彼女の後ろには、若い兵士が守るようについてきている。  今回の作戦の指揮官は前を走る男性。彼女の恋人でもある。  作戦は途中まで順調だった。
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