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「そのまま寝ればいい。早く回復させろ。今、おまえにできるのはそれだけだからな」
「……訊いていいか」
尋ねると、ティグレは意外そうだったが頷いた。
「なんだ」
「どうして捕虜にここまでする?
しかも、禁句を口にした女に対して」
訊かれたティグレは、顎に手を当てて少し考えていた。どう言えばいいか迷っているという雰囲気だ。
「……理由は複数ある。
だが、政府軍に返す時に怪我をされたままだと、おそらく呆れた発表をするだろう。
好きに言っていろ、とは思うが煩わしくもある」
ティグレの言葉に彼女は驚いた。
「そんなに早く返してくれるのか?」
意外だった。
このまま捕虜として、しばらく拘束されたままかと覚悟したからだ。
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