第一章 銃撃戦

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 脱出を図る彼女達、五人は順番に、壁に()いた穴から外へ出ようとした。  その瞬間。  右肩に激痛が走り、思わず持っていた散弾銃が手から離れた。痛みと熱さでその場に膝をついてしまう。  前を走っていた男が、一瞬躊躇(ためら)う様子を見せたがそのまま走り去った。  彼女は、追いかけることも怒鳴ることもできず、その場にうずくまったままだった。激痛で動けない。右肩から血が流れているのが分かる。  死神が近くに来るような幻覚に襲われた。  (死ぬのか……)  屈辱も何も感じない。意識が遠くなった……
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