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「だって、この子、可愛いじゃない。素直じゃないところもいいよね。
……ティグレは真面目すぎなんだよ」
急に口調が変わって、彼女は金髪の男を真剣に見た。
「幸せになったっていいじゃないか……そう思わないか」
男がローボに問いを向けると、彼は頷いた。
「ええ、兄と同じ存在です。幸せになっていただきたいんですけど……」
二人がティグレを愛して幸せを願っていると分かる。
「でも、ティグレは猫を飼い続けるだろうな」
理由は分からないが、ティグレは彼女を離すつもりはない。なぜか安心してしまう心を彼女は抑えつけた。
「君、無視されてない?」
どうして知っているのだろうと思ったが、彼女は頷いた。彼女はティグレに言うつもりはないし、おそらく彼が知ることはない。
「あのね。ティグレって人望が厚いんだ。分かったと思うけど」
頷いた。彼が敬意を持たれているのは分かる。希望がすぐに叶うのだから。
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