第一章 銃撃戦

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 「……分かった、考えよう。  だが、一人が認められないのは覚悟しろ。今は私が護衛代わりだ」  言われた内容は承服しかねるようだが、同行するのがティグレだけと聞いた黄金(きん)色の髪の青年は機嫌を直した。  「おまえと二人って、ガキの頃以来か……いい時代だったな」  外見から考えて二十代半ばと思われる青年の言葉ではない。過去への追憶と重い響きが伴われていた。  「ああ、そうだな……」  幼馴染である二人は、遠くなった無邪気な日々を共に思い出していた。  「しかし、仲間を見捨てて逃げるとはな。もう少し本気で狩っても良かったんじゃないか?」  物騒な言葉に、ティグレは曖昧(あいまい)に首を振った。  「あえて逃がした。向こうがどう出るか見たくてな。  あの坊やの言葉を信じるなら、リーダーは第一師団(しだん)(軍隊における部隊の名称で、エアルド陸軍では一万人規模)の参謀部だそうだ。おそらく何か策を打ってくる。  だが、こちらに捕虜がいれば、さすがに無茶はできないだろう。捕らえたのはリーダーの恋人だからな」
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