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鶴ヶ峰駅前薬局
「こんにちは。ネイビーちゃんです。今度は鶴ヶ峰駅前薬局を紹介しちゃうぞ。ここは開店したてのほやほや店。
すごいの。スマホ用アプリ「送信くん」をダウンロードすると、スマホで薬局まで処方箋を送信できちゃうんだ。お薬の準備ができると、お知らせが届くんだって!待ち時間に用事を済ませられて便利!わあい、ハイテク薬局だ!
見て見て出来立てのお店だよ。キレイでしょ。お店の人が撮影を許可してくれたよ」
「確かにあなどれないな」
「どうしたの?おいなり君」
「小林くんはおれのトリプルサンダーキックを三回もかわしたんだ。決してあなどれない」
「聞こう。人の話を」
「なんだっけ」
「--あのさ、小林くんの事、好きでしょ?」
「何を言うんだ、彼は宿敵だ。悪魔と書いて『しゅくてき』と読む。凶悪な性格をしてるんだ。おれは必ず奴を止める。サンダーブレードを秘めたこの右手で……」
「あなた何歳」
「ゼロが多すぎてもう覚えてないけど、見た目は君と同じ二十歳くらいだよ」
「そうか、わかった」
「どうして優しいんだ?」
(続く)
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