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依織は初産ということもあって里帰りをしていた。
本当はゴールデンウィーク中が予定日だったが、それより少し早く生まれため立ち会うことが叶わなかった。
急いで駆け付けた病院には、元気に生まれた我が子と無事に出産を終えた依織がいて、すごくホッとしたのを覚えている。
初めて我が子を腕に抱いた時の感動は忘れられない。
小さな小さなこの存在をこれから守っていかなければならないのだと、父親になったんだということをこの時初めて実感した気がする。
元気に生まれた我が子に望と名付けた。
抱いた腕の中にいる望を見つめる依織の横顔は慈愛に満ち溢れ、すでにお母さんの顔をしているように見えた。
母になった依織は益々輝いていて、もう一度恋に落ちたような気分だ。
二人の姿を見ていると胸が熱くなる。
母子共に健康で生まれてきてくれた嬉しさと、父親になれた嬉しさと、いろんな感情が湧き上がってきたが、何よりも依織への感謝の気持ちでいっぱいだった。
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