夏の日

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□□□ どうすることもできないまま暑い日々が続いていた。 あのおじさんがもう来ないよう祈り続けていたけど、その日はやっぱりまたきてしまった。 西日が差し込む時間になると蝉の声がより高く響く。その声に促されるようにお母さんが外に出ていった。多分買い物に行ったんだと思う。お母さんが帰ってくるまで部屋でひとりテレビを見ていた。オレンジ色の日差しが眩しかった。番組がCMに切り替わったのと同時に玄関のチャイムが鳴った。おじさんの中の誰かが来たんだと思って玄関を開けると、あのおじさんが立っていた。 「暑いねえ。アイス買ってきたよ。一緒に食べよう」 コンビニのロゴが入ったビニール袋を手渡すとおじさんは靴を脱いで中に入ってきた。どうしよう。なんでお母さんがいないときに突然来たの? このおじさんとふたりきりになりたくない。お母さんが帰ってきたらきっとまた怒られる。 「あれ、お母さんはいないの」 狭い部屋だからお母さんがいないことにおじさんはすぐ気づいた。黙って頷く。ビニール袋から冷たい空気が手に伝わってきて、てのひらにかいた汗を冷やしていく。だけど汗はどんどん出てきてビニール袋を伝ってアイスの水滴と混ざり合い床にぽつんぽつんと雫が垂れた。 「そんなとこ立ってないでこっちにおいで」 おじさんが布団に胡坐をかいて私を手招きした。三歩も歩けばおじさんの座っている布団のはしっこに辿り着く。つまさきが布団に触れたのと同時におじさんに手を引っ張られておじさんの腕の中に捕まえられた。 「お母さん待ってるとアイス溶けちゃうね。先に食べていよう。ほら、イチゴ味のアイス。好きでしょ」 別にイチゴ味なんて好きじゃないのにおじさんは勝手にイチゴ味のアイスキャンディの包みを開けてスティックを持つと私の口元にアイスを押し当てた。 「口開けて。食べさせてあげる」 薄く唇を開くと冷たいアイスがぐい、っと押し込まれた。苦しくて喉の奥から変な声が出た。 「上の口じゃうまく食べられないねえ。じゃあ下の口で食べてみようか」 おじさんは胡坐の中で咳き込む私のスカートに手を入れ素早く下着を脱がせた。私の両膝を立てて肘で押さえながらおじさんはアイスを私の中にゆっくりと入れてくる。あまりの冷たさに体がぶるりと震えた。 おじさんはそのままアイスで私の中を掻きまわす。 初めての感覚に勝手に声が出てしまう。全身の力が抜けて抵抗できない。
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