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18
恥辱の修行を行う一角は建物の2Fにあった。
2Fは恥辱の修行のために整備されているといってよい。館内は薄暗い照明になっている。
一定の間隔で花が置かれている。十数人くらいが館内に入っていく。男は待ちに待った恥辱の修行というところか。女の方も意外に乗り気みたいである。通路から見てズラーっと20部屋くらいが左右にある。どれもこれもマジックミラーになっていて、修行が始まると、異様だろうと想像を喚起させる。女性が修行の準備をリードする場合が多い。初めてこの修行をする女性の場合、男がお湯を張るとか準備をする場合がある。恥辱の修行は男女ペアになるが、その相手は旭日の会、幹部がランダムに決めている。
俺と一緒に「修行」するのは、美雪という女性だった。パッと見た瞬間、ラッキーなことに美人だった。美雪は睫毛(まつげ)が長く、目の印象が星が入ったようにキラキラと輝いている印象である。一組のバスタオル、フェイスタオル、コンドームが部屋に既に備えつけてある。美雪は湯を出し、お風呂にお湯を張り始めた。
「初めて」
間を見計らって、美雪は言った。俺のたどたどしい様子からセックスは、初めてだと美雪は判断したのだろう。
「はい」
俺は素直に答えた。初めてと訊かれて、童貞を馬鹿にされているんじゃないかという思いは、よぎったが、素直に答えるということをこの宗教に入って身につけた。ボディーソープを泡立たせながら、美雪が身体を洗ってくれた。風呂が沸いたので一緒に風呂に入った。湯につかり、しばらく経って。美雪が身体を触っていいよ。というので触った。温まり始めた乳房を触った。最初がばっとつかむようにして、触っていたので。
美雪が優しく触ってと云うので、触り方を相手の肌に沿わせて相手が気持ちよくなるように心がけた。リラックスした時間が流れているので美雪に積極的に話しかけた。
「この宗教に入信するきっかけは何だったの?」
口火を切るようにして、俺は話した。
「大学辞めたのよ、あたし元々高校卒業してすぐ働きだしたかったけど。親がどうしても大学に行ってほしいとせがむから、それに従ったけど。大学もつまらないと想い出して行かなくなり、辞めちゃった。そしてたまたま大学の友人が旭日の会に入っているっていうことを知って。この宗教の存在を知ったのがきっかけかな」
「へぇー勇気あるねーっ。旭日の会、在家がなくて出家しかないから」
「まあね。あたし、こうだと思ったら、行動早いからねー」
じゅうぶんに身体が温まった。身体をバスタオルで拭いた。美雪は、責めとか受けって、わかる?と訊いた。わからないと俺は答えた。ふにゃふにゃおちんちんではいきなり挿入できないじゃない。じゅうぶんにおちんちんを起たせるまでの過程を責めとか受けとか言うのかな?そう云うと、美雪は俺のペニスをなめ始めた。俺はまじまじと美雪の顔を見ている。こんな美人な娘が卑猥なことをしているという想いが心地よい。陰茎は十分に勃起した。コンドームをつけて、「あたしの中に入れて」と美雪は言った。うんと俺は答えて、挿入した。美雪が上で俺が下の上下運動が始まった。イキそうと、俺は言った。美雪は笑顔になった。そして射精した。美雪がコンドームを抜き取ると、ゴミ箱にさっさと捨てた。俺はイッた後、性欲がさーっと引くのを感じた。まだ十分に話をする時間はあるみたいだ。
「気持ち良かった?」
「こんなもんかってかんじ」
「アダルトビデオの見過ぎじゃない?」
「そうかな?」
「うん 」
「ところで、ビデオとかよく知ってるね」
「お父さんの部屋に一本どぎついアダルトビデオが本棚の奥に隠してあって、それを見つけたことあったから、ビデオって言葉に馴染みはあった。家にビデオデッキもあって、あたしが小さい頃それで昔のアニメとか見たよ。アラジンとか見たかな、5才くらいだったから字幕が読めなくて。4つ、としの離れた姉に読み上げてもらったりした」
アルバイトしたことあるって訊いたら。
「大学に入ったとき初めて、アルバイトしたの。ケンタッキーフライドチキンだったの。手際がいいって誉められたかな」
「俺は要領悪いよ」
「いいじゃない優しそうだから」
修行が終わった。マジックミラーの向こう側の人達は何を想ったのだろう。脱いだ服を着始める。
「じゃあね!!」と挨拶をして別れた。
どうだったと、寝る場所に戻ったら、方々から訊かれた。
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