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俺は横井庄一のことをもっと知りたいと思った。家に停めてある自転車のスタンドを足で蹴って福岡市立図書館へ向かった。途中大濠公園で休憩を取った。ボロボロの100均の手帳を取り出した。乱雑に書かれた「やりたいこと」を列挙した覧があった。そこに彼女を作りたいとある。そこでふと、かわいい図書館司書をナンパしてみることを計画した。また、休憩が終わると、自転車を福岡市立図書館へ向かって走らせた。
洋館を思わせる図書館へ入っていった。検索機械で横井庄一と打つと、ある程度の件数がヒットした。書庫の中にあるドキュメント横井庄一を選んだ。本がカウンターから出てくるまでに10分くらいかかる。ズラーッと本がきれいに整列した館内を一望してみる。やってはいけないことだと思いながら、「かわいい司書いないかなあ~。」と司書を物色し始める。あのコなんていいかなあと思いながら、話すきっかけが思いつかない。最近気になっている横井庄一のことでも話すかなあ。10分経ったので、本を取りに行き。手元に届いたドキュメント横井庄一に目を通し始める。俺は読書は苦手であった。あのテレビで見た程の印象は心に宿らない。本で情報を得るより動画の方が頭に入って来やすい。本は取り合えずパラパラとめくるだけで終わった。肉体は自転車と徒歩で福岡市立図書館まで来たので、程よい疲れが宿ってきている。
本を眺めるのに、飽きると、今度は近くの百道浜海岸に出てみることにした。波の音が聴こえる。
心にあったざわめきが鎮まりかえる。ざわめきを分析してみる。このまま何の収穫もなく帰ることだ。また、ボロボロの手帳を取り出した。やりたいことの覧にいろいろと書いているが。一番最初に書いていたのが、彼女を作りたいであった。が、司書に唐突に話しかける勇気はないし、変に思われたくない。横井庄一という狭い範囲のキーワードではなく、戦争という広い範囲で考えてはどうかと考えるに至った。館内をぐるぐると散策すると、何年も展示してあるように思える子供達に第二次世界大戦を紹介する展示があった。「これだ!!」と思った。
近くのお姉さん風の司書に尋ねる。自分は横井庄一に興味があり、その延長線上で戦争にも興味があることを伝えた。そうすると、この展示を企画して制作した松崎ミハルという人物が奥から登場してきた。ミハルは、大学で戦争史を研究して。なぜ、戦争に至るのかなどの知識に秀でており。特に大学と大学院で第二次世界大戦について研究してきた。ミハルと話す機会が少し設けられた。
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