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一・自己紹介プラスアルファ
女でーす。
自己紹介おしまい。学校登校中ナウ。
「ねえ! ねえ! アリサ! おはよろこびの舞い! 今日の朝なに食べた? ねえ! ねえ! アリサ! 言ってくれないと死んじゃう!」
早速会いたくないやつに会ってしまった。ウチダミキ。友達。変人。他己紹介おしまい。
「言ってくれないとミキ悲しい」
いるよね。自分のこと名前で呼ぶブリッコ変人。朝ごはん何食べたか異様に知りたがるブリッコ変人。
「ああ、アリサはミキの声が聞こえなくなっちゃったんだ。やっぱり、アリサとミキは一生結ばれない関係な……」
「ごま塩ふりかけポテトフライのホイコーロー炒め」
「は?」
「今日の朝ごはん」
「よく聞こえなかった」
あんたの耳が腐ってるからじゃないか? これだから変人は……
高校ナウ。
「ワタガシさん、ハンカチ落としたよ」
廊下ナウ。
ハンカチを落としてしまったらしい。私としたことが。
「ワタガシさんのハンカチってチェック柄なんだね。珍しいー」
オオハマカレン。女。変人。それはチェック柄じゃなくて、オルタネイト・ストライプ柄だ。
「わざわざハンカチを落として気を引かせるなんて、キュンキュンしちゃうじゃないか」
もう一度言う。女。正真正銘の女。よって、ただの変人。そして、私はワタガシではなくワタヌキだ。
休み時間ナウ。
「ミキビーーーーム!」
おっと、意味不明のビームが飛んできた。これは変人を超えて意識不明だ。きっと、意識がどこかへ行ってしまって、頭がおかしくなってしまったのだろう。かわいそうに。
「くそ、はずしたか。ではこれで。ミキパンチ!」
蹴られた。
「ミ、ミキキック……」
言い直された。
しかし「ミキキック」は「キ」が連続しているため言いづらい。しかも、ダサい。だから、「スーパーミラクルウルトラ変人キック」とかはどうだろうか。
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