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二・シスターコンプレックス
家ナウ。
「おいアリサ、野球しようぜい」
弟。小六。変人。
「今テスト勉強中」
「おいアリサ、勉強をしなければならないというガイネンにとらわれると、逆に勉強したくなくなって、シンドロームになって、人生何もかもが失われてしまうぞ」
弟。小六。シスコン。変人。
弟は知ったかぶりだから、適当なことを言えばどこかに行ってくれるだろう。
「マサル、野球ばっかしていると自分自身のアイデンティティーが傍若無人でオートマチックなインフォメーションをホイコーローしてしまうぞ」
「……そうだな、しょうがないから今日のところは諦めるとするか」
弟撃退成功。
マサル。弟。小六。シスコン。変人。
かわいい。
テストナウ。
「先生、ミキわかりません!」
「テスト中だ! しゃべるな!」
テスト終了ナウ。
「ヘイ、ミスワタヌキ。テストはうまくいったかい?」
ミトコンドリア。ハーフ。男。変人。名字がミトで名前がコンドリアなのだ。
「そうか、うまく行かなかったかい。今回はミーの勝ちらしいな。アヴァヨ」
きっとあばよと言いたかったんだろう。しかし私がコンドリアごときに負けることは絶対にない。断じてないと言える。なぜなら、コンドリアはカンニングをして失格になったからである。
負けることがあるとすれば、それは日本政府が今すぐに、「カンニングをしても良い」という声明を発表することだ。
『パシャパシャ。カシャカシャ。
日本政府「えーーー、このーー度はーーー、カンニングをーーーしてもーーいいというーーーーことにーーーなりましたーーー」
記者「なぜカンニングをしても良いのでしょうか? カンニングは悪いことではないのでしょうか?」
日本政府「えーーー、カンニングをしてーーー失格にーーーなるとーーーーカンニングをーーーしたーー人がーーーかわいそうじゃーーーないですかーーー」』
ない。そんなこと、断じてないと言える。
カンニングをしたコンドリアが悪かったんだ。
アヴァヨ。
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