母ちゃんへ

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母ちゃんに手紙を送るのは初めてかな。 8年前に天国へ旅立ち、母ちゃんにあれもこれもやってあげたかったって色々と後悔してる。 一緒に住んでる時は当たり前だと思ってたけど、一人暮らしを始めてから母ちゃんの有り難みが凄く凄く感じた。 毎日、母ちゃんの手料理を食べてた頃は何とも思わなかったけど、一人暮らしを始めてたまに母ちゃんに呼ばれて母ちゃんの手料理を食べに行くと、凄く凄く美味しく感じた。 母ちゃん、いつも俺の大好物を用意してくれて、俺が美味いって連呼すると笑顔でまだ鍋にあるから食べなって、鍋を持ってきて皿に盛るんだよね。 母ちゃん、いくら美味くてもそんなに食べられないよ〜って言うと、お前の為に作ったんだから食えって笑顔で言うんだよ。最後は全部食べ切るんだけどね。 久々に母ちゃんの手料理が食べたくなってきた。 母ちゃん、改めて言わせてよ。 俺を産んでくれてありがとう。育ててくれてありがとう。俺の為に叱ってくれてありがとう。褒めてくれてありがとう。優しさをありがとう。 俺さ、母ちゃんの息子で幸せだったよ。 母ちゃんが入院してた時、母ちゃんの手のひらと俺の手のひらを合わせた時の事、嬉しかったよ。 追伸 母ちゃん、聞いてよ。 近々、母ちゃんの手のひらって題名で母ちゃんが生きていた証として執筆するからね。 母ちゃんが癌と診断されてから闘病中にあった事、亡くなるまでと亡くなった後をノンフィクションで執筆するからね。
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