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「初めまして、国王様、王妃様。エステリーゼ・アルセリアと申し上げます。お目にかかれて光栄でございますっ」
緊張感が走る中、わたしはドレスの裾を摘み礼儀正しく頭を下げた。
緊張しなくていいってルイス様たちに言われたけれど、それでも目の前に居る国王様たちを見るとプレッシャー感もあり緊張してしまうわ。
どうしようっ…。厳しい言葉を言われるんじゃないかしら。
心臓がドクンドクンッとうるさく、心が押しつぶされる感覚で倒れそう。
「父上、エステ…エステリーゼを俺は次期王妃に迎えようと思っています。次期王妃選考会で一目見てカノジョしか居ないと決めて考えました」
ルイス様のそうわたしを紹介する声は冷静でいつに増しても凛としたものだった。
「って事は!これから、私たちに今日から新しい家族が出来るのね?!娘が出来たのね!?アナタ、私は賛成よ!」
「アマリア、落ち着きなさい。娘が出来たことに嬉しいだろうが興奮しすぎだぞ? 」
アマリアと呼ばれた王妃様は、それはもうルイス様が言っていたように喜びに舞い上がる様にしていて目をキラキラとさせていた。
そんな王妃様を国王様は若干困った様に笑って落ち着かせてる。
「なっ、言っただろ?」
2人には聞こえないようにクスリと笑いながらルイス様はわたしに耳元で囁いた。
「はい、その通りでしたね」
良かった。厳しい対応をされるとは思ってもいたから安心した。
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