王位を継ぐ者として

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「はぁぁ…」 「何をそんなに深いため息を漏らしてるのです。良かったじゃないですか、陛下たちに王位を譲られて」 何にも良くない! 王位を譲られた事は確かにめでたいことだが、俺はまだ継ぎたくないんだよ。 これから、もっと忙しくなるかも知れないのに。 エステルに構えなくなると思うと、胸が苦しくて死にそうだ。 「俺は今は何も嬉しくない。おまえは俺には過労死しろと言いたいのか?」 「とんでもない。というか、大袈裟ですよ。王位に就いたからって、それほど過酷に多忙では無いと思いますがね?まぁ、そんなに不安なら早く世継ぎを作ればいいんじゃないですか?」 笑顔でとんでもない事を抜かすこの鬼畜執事に俺は冷たい目で睨んだ。 しれっと世継ぎを作ればいい、と言ってきた。 エステルを先に部屋に帰して良かったと心の底からそう思う。 リカルドのこの言葉を聞いて、どんな反応するのか怖いから。 「変態執事はもう黙れ 」 「何を言ってるんです。変態でしょう?」 強調するかの様にリカルドは満面の笑顔をした。 俺は変態じゃない!
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