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荻君は、町田市にある、投身自殺の名所として有名な団地に住んでいた。
怪奇現象の絶えない団地だった。
夕方、バイトに行くために、五階の自宅からエレベーターホールに向かうと、エレベーターの扉が自動的に開いた。ボタンには触っていない。
深夜、バイトから帰宅すると、一階に止まっていたエレベーターの扉が、やはり勝手に開いた。
そして勝手に五階に向かう。
ボタン類には一切触っていない。
「便利なエレベーターなんだ」
荻君はそう言っていた。
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