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「いやあ、しかしよく釣れたな。ベントくんも初めてであの大物を釣るんだもんな。多分釣りの才能があるよ」  荷台が揺れるリズムと同じようにダイの声も揺れた。クーラーボックスにはたくさんの泥臭い魚たちが詰まっていた。傍から見れば、全く美味しそうには見えない。だが、人生で初めて自ら食料を調達できたのだ。味がどうのこうのというよりも、その達成感が心を満たしていた。 「そんなことないですよ。それに、ロンさんが助けてくれたんで。僕が一人で釣っていたら間違いなく湖に引きずり込まれてました」  ダイはそうだったのか、と言いながら大きく笑う。笑い事ではない。本当に吸い込まれそうになったのだ。 「悪いな、笑ってしまって。しかし、この間会ったばかりだと思っていたのに、ベントくんはもう歴とした仲間になっているね。すごいことだよ」  僕は仲間と言ってもらえたことに、また喜びを覚える。知らぬ間に僕はみんなから認めてもらっているのだろうか。何かのきっかけから、少しずつ距離を詰めてきたのだろうか。
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