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「皆さんが優しいからですよ。こんな得体の知れない僕を受け入れてくれたんですから」
「みんな最初は何も知らないところから始まるからね。鼻から仲間外れにする理由なんてどこにもないよ。一緒にいて、話してみて、初めてお互いのことが分かり始める。そうしてようやく相手のことを認められるんだ」
ダイは他の三人とは少し毛色が違う。どこか雰囲気が大人しく、物腰も柔らかい。気軽に話しかけても怪訝そうな顔を浮かべることもない。もしかしたら、ダイがいることで僕はみんなの輪にうまく溶け込めたのかもしれない。ダイが僕を知ろうとしてくれた先に、この仲間という素晴らしい響きを持った言葉が導き出されているような気がした。
小屋に着き、僕はテディがまだ戻っていないのかを探る。今日も僕が朝起きた時には既に姿が見えなかった。流石に昼過ぎのこの時間には帰ってきているのではないかと踏んでいたが、小屋は蛻の殻だった。
「すいません、テディさんまだ出掛けてるみたいです」
ロックは珍しいな、と呟きながら何かを考え始めた。そして、一つの結果を見出したのか、運転席から身を乗り出して僕にぎこちない笑顔を見せた。
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