0人が本棚に入れています
本棚に追加
風邪を引いたときは、不安になる。だから、嫌な夢を見る。
そういって片付けられてしまうから、そういうものなんだと思うことにした。けど、熱に浮かされる度、そんなことないんだって叫びたくなる。
だって、恐怖の時間も頭痛は感じるし、掌で血流が加速してるのもわかる。喉は乾くし、目元は水で冷えていく。
私がおかしいわけじゃないのに、これは夢じゃない。そんな確信のある矛盾が、苦しかった。
心臓も痛くて、肺に呼吸が入らない。
無理に目を瞑ると、拒むように瞼が瞳を焼いて痛い。
けど、開ければ部屋がおかしくなる様を見せつけられる。
暑い、暑い、寒い、熱い。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
怖い、助けて、独りにしないで。
自分の声も聞こえない中、布団の中で泣いていた。
最初のコメントを投稿しよう!