プロローグ

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プロローグ

小説は事実より奇なり。そんな言葉では生ぬるいと感じるのが僕の人生だ。 小説は事実よりクソでゴミで残酷で素晴らしい。 子供の頃に思い描く将来なんてものは大抵その通りになることはない。 将来は有名大学に入って一流商社に入社する。適度に丁度いい女を捕まえて幸せな家庭を築く。 こんなありきたりな夢が実現するもんだと思っていたし、そうなるのは半ば“必然”とさえ思っていた。 ただ、どこかで自分の将来に不安を覚えている自分も事実だった。何者にもなれないのではないかと。 子供の頃に思い描く将来なんてものは大抵その通りになることはない。 Fラン大学の2年生。それが自分のステータス。大抵その通りになることはないはずなのに、何者にもなれない自分になりかけているのは何故だろう。 環境のせいだろうか、運命のせいだろうか。ただ、一つ言えることはこの体たらくは“偶然”ではなく“必然”であったということ。 何者になれない自分に慣れつつある自分に嫌気がさす。 これだから現実は残酷で素晴らしい。
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