レベル3 ― 最終形体 ―

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 大漁の魚を手に入れた村では、久しぶりにお刺身、焼き魚、煮魚などの料理が振舞われていた。そして伝えられた塩もみした保存食、干物の準備も進められてゆく。  この日――、俺は村に戻る事はなかった。 「ザァ――ッ―、ザァザァ――」  翌朝から降りしきる雨の中、俺は何度も川に潜りながら一枚の金貨を探す。 「兵隊さぁーん!」  心配し歩み寄るルシファの姿に俺は愛を感じると共に、盗んだパンティの事がまだバレていない事に安堵の表情を浮かべていた。 「お話しは聞きました。もう、大丈夫です。リーチェのお母さまが代わりの金貨ファイブペローを……」  豪雨が増す中、そう声をかける優しいルシファ。 「ルシファ、ありがとう。でも……、ダメなんだ。あの金貨じゃないと意味がない。リーチェにとっては……、あの金貨じゃないと……」 「ピカッ! ゴロゴロォ――――ッ」 「ピカツ! ズドォ――ン――ッ」 「うぐひゃぁ――!!!」  突然の稲光と共に落雷を直撃した俺は濁流にのみ込まれる様に水面へと沈む。 「ゴォォオオオ――」  荒れ狂う川の流れに巻き込まれ俺はふと思い出した。 『どうせ余命二日になった命――、止むを得ないと』 「ぶくぶくぶくぶく――っ」  そう、諦めた時、濁流にのみ込まれる自らの身体を包み込む淡いグリーンの光、まさかっ、宙に浮く体、口から吐き出す泥水。半死状態で見つめた橋の上にはルシファの横で雨にうたれながら救いの魔術を放ったジルトの姿。 「俺は……、こんな変態でもまだ生きていていいのか――。ジルトの旅に俺は足手まといの筈、何故彼は俺を二度も助ける?」  水流系魔術で身体全身を清められてもなお自らのロン毛に絡みつく水草。ルシファは丁寧にロン毛から取り去った時、偶然目にした一本の釣り糸。手繰り寄せたその先にはロン毛の毛先に絡まる釣り針と一枚の金貨。  それこそが探し求めていたリーチェの大切な父親の形見の金貨だった。 「あった! あった! あったぞぉ!!!」  再び戻るホープタウンの門前。ジルトとルシファの後を追う様に俺は進む中、リーチェとの感動的なものとなる、暇人どもが涙ちょちょぎれる様なストーリー展開披露を目前にして、想定外の事態が起こる。 「シュッ――ッ」 「うわっ! なんだぁ!!」  目の前に放たれた村からの弓矢の攻撃。間一髪で足骨に刺さるのを回避したがバランスを崩した俺はまたその場に倒れ込む。 「ジルト様、ルシファ様、よくぞお戻りを――。大変申し上げにくいのですが、村の女性達があのロン毛の骸骨兵士を入れるなと暴動が起きており」 「暴動? はてっ??」
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