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ねぇ私、どうして、こんな所に居るの?
涙目で問いかける。
鏡の向こうの、私に。
その鏡の向こうの私はもちろん、答えるでもなく、ただ、泣くのを堪えている。
さっきまでは悲しくて悲しくて。
でも今は…。
目だけを動かして店内を見回す。
賑やかな店内。
オシャレな音楽と、オシャレな店員と、オシャレになろうとする、すでにオシャレなお客。ここに座ったところで、オシャレになれない私は、完全なアウェー。
なんだか惨め。
だから泣きたいんだ。
ようやく恋をして、その恋が破れた悲しさも、もう吹き飛ぶくらい、私は此処に相応しくない。
だって私は。
地味の塊だから。
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