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髪を撫でる。
遼の髪はジェルで固まっている。
男の人のとんがった髪先。
耳に触れ、頬に触れ。
好きだという証に胸が熱くなる。
ずっと、こうしていたい。
遼のためなら、動かなくてもいい。
髪で遊び、引き締まった腕を優しく叩く。
遼はたまに動くが、体を丸めて気持ち良さそうにしている。
心が満たされているはずの私はというと、なんだか異なった思いの引っ張り合いというか。
すべて守ってあげたいという、母性と。
なにもかもを独り占めしたいという、性(さが)。
いずれにせよ、私は遼が大好きだ。
子どもっぽいところもあるが、基本Sで。仕事に誰より誇りを持ってる。
あなたのお陰で、私は変わることができた。
強くなることができた。
心から。
大好き。
私は遼を、膝の中で抱き締めた。
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