番外編

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「ええーっ⁉」 私は絶叫した。 そうせずに、いられますか? だって、だって、愛する男性にプロポーズされた。 ここまではいい。 いいんだけど…。 「もっとよく考えたら?」 私は言った。 遼に。 じゃなく、彼からプロポーズされたという、笑子に。が。 「なにを考えるわけ?」 ときた。 「まだ付き合って間がないのに、相手のこととかもっと良く知ってからのほうがいいんじゃない?」 「そんなの、これからでもいいじゃない」 「でも結婚て、取り返しつかないわよ」 「じゃ、光子がプロポーズされたら断るわけ?」 「それは…」 話が違う、と続けたかったが、話は違わないのか。 もし今。 遼から。 「結婚してくれないか?」 なんて言われた日には、それだけで有頂天に…。 「なに顔を赤らめてんのよ。それが答えじゃないの」 「いやでも…」 「私は結婚するの‼彼が好きなの‼」 笑子の真っ直ぐというか、頑固というか、その思いは伝わってきた。 「それで、ヘアメイクを頼みたいの」 「遼に?」 「そう、あなたの未来の旦那に」 未来の旦那…。 「また顔が赤い‼」
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