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田所さんがずっと手を出しているので、私は申し訳なくなり、小さな段ボールを1つそこに置く。
「これ、お願いしてもいいですか。」
「そっちは?」
もう一つの大きな段ボールを指さされ、
「これは重いので。」
というと、クスリと笑われる。
「僕は子供のように見えますが、本当はおっさんです。重い段ボールも運べます。」
さきほどの小さな段ボールを大きな段ボールに乗せて、二つとも持ち上げる。そのまま、スーッと帰っていくので、
「ありがとうございます。明日からよろしくお願いします。」
と背中に向かって言うと、振り向いて会釈し、帰っていく。
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