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田所さんとの握手を終えると、今度は私に手を差し出す。私が手を握るとギュッと掴んで、反対側の手も添えてくる。 「訂正。俺、真面目だよ。もっと要領よくなりたいって思うくらい。」 じっと目を見られて、自分の耳が赤くなるのを感じる。 「では、失礼します。」 私は手を引っ込めてお辞儀をする。隣で田所さんも頭を下げる。 エレベーターに乗り込み扉が閉まるまで、私は頭を下げる。最後まで藤崎さんの顔を見ることができなかった。
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