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「田所さんは、本当はおしゃべり好きですよね。」 「うん。で?口説かれたの?」 「いいえ。」 「手は握られたの?」 「今後ともよろしくと、握手をしてくださいました。」 「あー、もー、なんなんだよ、藤崎さんっ!」 受話器から湊さんの声が漏れ聞こえたようで、瑞穂さんがクスクスと笑う。私はハッとして 「とにかく、無事、復旧しました。湊さんも出張、あと少し頑張ってください。」 と言って電話を切る。 チラッと瑞穂さんを見ると、「ん?」と小首を傾げられ、私はプルプルと首を振りながら下を向く。 また、瑞穂さんがクスクスと笑っているのが聞こえて、あー、絶対バレてる、と心の中で呟く。
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