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「いおりんでも後悔するんだね」
うつむく伊織のうしろから声がして、伊織が振り返るとニコニコと笑うほたるが立っていた。
「ほたるっ!お前、聞いてたなら止めてくれよ」
「そんなことより、起きたことを後悔するひまがあったら、いまできることをしようよ。…もりりんを探しに行こう!」
驚く伊織の話をよく聞かないまま、ほたるは伊織の手を取って歩き出していた。呆然としていた伊織だったが、少し前まで元気のなかったほたるが明るくなったことを嬉しく感じ、彼が来てくれて安心していた。
「……あぁ、そうだな。ところで、いま言ったことは、けいくんの受け入りか?」
引っ張られていた伊織は歩く速さをほたるに合わせて彼のとなりに並んだ。そして、からかいながら笑う。からかわれたほたるは、図星のようで照れていた。
「うっさい。そんなんじゃない!」
「そうか…。…でも、ありがとな」
ほたるが照れていることに笑いながら伊織が話す言葉に、ほたるも笑っていた。
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