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昼下がりの日常
ゴーン。ゴーン。
教会から、正午を告げる鐘の音が町中に響き渡る。
「もう、そんな時間か。」
俺は寝ていた身体を起こし、鎧に付いた草や土を払い立ち上がった。さて、今日の昼は何を食べようか。やっぱり平和が一番だ。
「団長!! さ、探しましたよ。」
俺の知らない、明らかに弱そうな騎士が俺の元に駆け寄ってきた。
俺は騎士団の団長に就いている。そのため間違いなく俺を追いかけてきている。
団長と言っても、俺は人を束ねるのは嫌いなため、雑用などは、他の団員に任せ、こうして一人でだらだらと、過ごす日々を送っていた。
「誰だ?お前。」
「本日より、配属になりました、名をジャンと申します。緊急事態だったため参りました。」
「緊急事態?」
「はい。先ほど、北の森からA級モンスター『ドラゴン』がこちらに向かっていると情報がありました。我々達では、到底敵いません。どうかお手伝いを・・・」
「はあぁ!! A級!! そんな雑魚お前らで何とかしろ!」
「無茶言わないでください。流石に無理です。」
俺ははぁ、とため息をつき、頭をポリポリと掻いた。最近、平和になり過ぎているかもな。被害が大きくなる前に行かないと王さまにしかられる。仕方がないと思いいつつ現場に向かった。昼飯前の運動には丁度いいか。
「団長。」
「なんだ?」
「背引くいっすね」
「うるせい!お前から切るぞ!」
150cmくらいしかないことは、気にしてんだよ。ほっといてくれ。
俺は現場に急いだ。
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