怪しい男

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怪しい男

「どこ行ったんだ!あいつ!!」 あれから俺たちは町中の至るところを探したが、早朝と言うこともあり、なかなか目撃情報もなく見つけることができなかった。 「どうしよう。どうしよう。」 隣でミリナが自分のせいだと自負している。 「一応、村の外に行ってないかいってみるか。」 「そうだね。また、ビーストに襲われてたら大変だし。」 俺たちは急いで村の外に足を運んだ。 アカリもアカリだ。起きて早々、村の外に出るとは思いたくはないのだが・・・ やはりどこを探しても、見えるのは木々や動物、遠くの方でビーストの姿が見えるだけで、彼女の姿は見えなかった。 「くそ!あいつ、ここにくる前に、あんなことになってるってのにどうして」 「ここにくる前?」 「ああ。気にするな。こっちの話だ。いいから探せ。」 あれが、彼女の身に起こった事なのかまだ分からないため、ミリナに言うのは早い。それに彼女今無事にしているかその方が重要だ。 「ヒロ、あれを見て人がいる」 突然、ミリナが指を指した先には、アカリではなく、赤黒いコートを着た男の姿はあった。 その男は、やせ形の高身長でこの町の外を武装もなしにそこらをうろうろしているのは明らかに不自然であった。 「彼も転移したばかりなら危ない。ヒロ助けに行こうか」 「まてまて、どう考えても違うだろ。あいつ明らかに怪しすぎる。それにさっきから、キョロキョロとしていて、何かを警戒しているようだぞ。」 「じゃぁ、あとをついてみようよ。」 そう言ってミリナは、さっさとそのあとをついていった。 「おい、こら!待て」 ミリナは言うことを聞かずそのままつけていき、俺も仕方がなく怪しい男のあとをつけた。 俺たちは謎の男に気づかれないようこそこそとあとをしばらくつけた後、急に男が走り出した。 「気づかれた。」 「ミリナに任せて、足なら早いほうだから。」 「おい待て、今はアカリの方が、っておい!」 よっぽどあの男が気になっているらしく、俺の話を聞かずにスタスタと行ってしまった。 俺はその二人の後を必死に追いかけたが、どんどん離されていき。一人になってしまった。
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